お金の基礎知識⑤|なぜ看護師の給料は上がらない?「頑張り」が報われない構造と唯一の対策

お金の基礎知識

「毎日こんなに走り回って、残業して……」
「責任の重さと仕事量に、給料が見合っていない」

そう考えたこと、ありませんか?
正直、今の看護師の業務量は限界を超えていますよね。

「こんなに忙しいんだから、もっと給料が上がってもいいはずだ」と思うのが普通です。
しかし、看護師の給料が上がりにくいことには、明確な「構造的な理由」が存在します。

今回は、病院や経営者がケチなわけではなく、もっと根本的な国のシステムとお金の裏側についてお話しします。
少し厳しい現実ですが、ここを知ることが「将来の不安」を消す第一歩です。


1.頑張っても売り上げが変わらない「診療報酬」の壁

結論から言います。

看護師の給料が上がりにくい最大の理由は、「診療報酬(公定価格)」によって病院の収入の上限が決まっているからです。

一般的なビジネス(美容室や飲食店など)なら、

  • 良いサービスを提供して単価を上げる
  • お客様をたくさん呼んで売り上げを増やす

といったことができます。売り上げは基本「青天井」です。

しかし、保険診療の病院は違います。

  • 入院費や処置料は、国が一律で「いくら」と決めている(公定価格)
  • どれだけ手厚いケアをしても、定額の入院料(DPCなど)は基本的に変わらない

極端な話──

  • ナースコールが1回もない患者さん
  • 1時間に10回コールがあって処置が山積みの患者さん

この2人でも、病院に入る収入は基本的に同じなのです。
(※自由診療の美容クリニックなどは例外です)

つまり、

「現場の頑張り」が、直接「病院の利益」に反映されにくい構造

になっています。
これが、看護師の給料が上がりにくい一つ目の理由です。


2.給料の原資は「みんなの保険料」

「それなら、国が診療報酬(医療の値段)を上げればいいじゃない!」

そう思いますよね。
しかし、それも非常に難しいのが日本の現状です。

医療費の多くは、国民みんなが支払っている

  • 社会保険料
  • 税金

で賄われています。

つまり、

私たちの給料は、回り回って自分たちが払っている保険料や税金から出ていることになります。

そこに追い打ちをかけているのが、

  • 少子高齢化による社会保障費の増大
  • 現役世代の負担限界

といった問題です。

この状況で診療報酬を大幅に上げることは、
=「国民の保険料や税金をもっと値上げする」ことを意味します。

そのため、国としても簡単には踏み切れないのが現実です。


3.「加算」を取るほど、現場の負担はさらに大きくなる

そこで病院が生き残るためにも必要になるのが、さまざまな「加算」を取ることです。

  • 入退院支援加算
  • せん妄ハイリスク患者ケア加算
  • 救急搬送看護体制加算 など

皆さんの病院でも、

  • 「今月からこの加算を取るから、この記録用紙が増えます」
  • 「計画書へのサイン漏れがないように」

と言われたことはありませんか?

実は、ここに大きな“問題”があります。


【加算の“見えにくい負担”】

  • 加算を取るには「必要な条件」を満たす必要があります。
    (膨大な記録、カンファレンス、委員会の設置、説明書・同意書の整備など)
  • その結果、現場の看護師の仕事量は確実に増えます。
  • しかし、増えた収入がそのまま個人の給料に反映されるとは限りません。

病院側としては、物価高騰への対応や人件費全体、設備更新など、多くの出費を抱えています。
そのなかで、加算で得た収入がダイレクトに看護師の給料アップに繋がるケースは多くありません。

つまり、

「病院が収益を上げようと頑張れば頑張るほど、現場の業務量と責任が増えていくなかで、看護師の給料は上げにくい」

という現象が起きやすいのです。

「記録ばかり増えて、患者さんの元に行けない」という悩みは、
まさにこの構造から生まれています。


4.私たちが個人でできる「唯一の対策」

以上のことから、医療業界の給料事情は今後も厳しい状況が続くと予想されます。

  • 国が決める価格(診療報酬)は上がりにくい
  • 経営努力(加算)をすればするほど、現場は忙しくなる
  • それでも個人の給料は劇的には上がりにくい

国や病院の経営方針を、私たち個人の力で変えることはできません。

では、どうすればいいのでしょうか?

経営に関われない私たちができる対策は、
私がこれまでの記事で伝えてきた通りです。

「お金の勉強をして、自分のお金を守り、増やすこと」

これに尽きます。

  • 給料という「上がりにくい1つの蛇口」だけに頼らない
  • 資産運用などの知識をつけて、お金にも働いてもらう
  • その結果、「将来の不安をなくし、働き方の選択肢を増やす」

ことができるようになります。

給料が上がらなくても、資産が増える仕組みがあれば、

  • 「今の職場にしがみつかなくてもいい」
  • 「もっと自分に合った働き方を選べるかもしれない」

という心の余裕が生まれます。

将来の不安をなくす第一歩として
これから一緒にお金の勉強をしていきましょう。


まとめ

  • 看護師の給料が増えないのは、診療報酬(公定価格)で病院の売上がほぼ決まっているから。
  • 医療費の原資は税金・保険料のため、大幅な賃上げには限界がある。
  • 病院が利益を出そうと「加算」を取れば取るほど、現場の業務量(記録など)は増えやすいが、給料には反映されにくい。
  • 業界の構造は個人では変えられない。だからこそ、お金の勉強をして自衛するしかない。

厳しい現実を知ることは、対策への第一歩です。
この構造の中でただ消耗するのではなく、明るい未来を目指して準備を始めましょう。

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